領収書を写メ・スキャンしているからといって処分してはいけない スキャナ保存制度の解説

クラウド会計を利用している方の中には領収書などスキャンをしてあるので処分して良いはずと勘違いしがちです。
しかし、一定の手順を踏まないと領収書など(領収書や契約書、見積書や納品書)について処分していいという訳にはいきません。

そこで今回は領収書などのペーパーレス化のルール、スキャナ保存の制度について解説します。

なお、スキャナ保存の制度を使ったペーパーレス化、導入へのハードルは高めになっています。

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ペーパーレスを実現するためには事前準備が必要

まずお伝えしたいのが領収書などのペーパーレスを実現するためにはスキャナ保存制度のルールを守っていく必要があること。
スキャナーを既に持っている、会計サービスがスキャナ保存に対応しているだけで許されるというものでありません。

ちなみにスキャナ保存制度の正式名称は『電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則』…とっつきにくい名前ですね。

必要な事前の準備、申請を出す

スキャナ保存を利用したい場合、領収書のペーパーレス化する3ヶ月前までに申請書類の提出が必要になります。
年度の途中から変えることは可能ですが、時間は掛かります。

申請書類の様式はこちらです。
国税庁:国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請

会計サービスやシステムの対応

スキャナ保存制度への対応として会計システムへは特別な機能(タイムスタンプなど)が求められます。そのためスキャナ保存制度を利用するために会計システムの変更が必要になる場合があります。

例えばクラウド会計のfreeeではスキャナ保存制度に対応するための次のプランのいずれかを選ばないと利用できません。
個人事業主向けのプレミアムプランか法人様向けのビジネスプランいずれも3,980円/月(税抜)。

他のプランを利用していた際には月額2000円以上のコストアップとなるほか、一旦導入してしまうと会計ソフトや料金プランの切り替えが難しくなることが気に掛かります。

社内ルール作成し定期的に検証

スキャナ保存制度を利用するにあたっては適正事務処理要件をクリアするために社内ルールを作る必要があります。参考になるひな型はネット上でも入手可能なのでルールは作ることだけなら比較的簡単にできるでしょう。

ですが実際にそのルールを守って行くことは難しいものになっています。

現行の制度では最低でも3名の人員が必要で、定期的な抜き取りチェックを行ってからでないと領収書などの処分をしてはいけません。

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スキャンはスマホなどの写真はNGですし、領収書などを受け取った方とは別の人がデータ化する必要があります。

入力期間の制限

また、領収書などの入力期間については通常は1週間以内におこなうのが原則、例外として業務ベースに合わせ1ヶ月以内を経過した後、1週間以内に行う事も認められています。

期限は最大でも1ヶ月+1週間以内…スキャンすることに手間取ることや、取り込みエラーも考えられること、領収書などの情報が正確に反映することが出来ているのか一抹の不安が残ります。

領収書などの断捨離は手続きをおこなってから

領収書などのペーパーレス化には事前の申請、会計システムへの対応、ルールの整備と運用、人員の確保が必要です。
きちんと手続きを踏まずに写メが残っているから、スキャンしたからと領収書捨ててはいけませんよ。

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【編集後記】

昨日は補助金申請や新規契約の事務対応。
落ち着いてひとつずつ終わらせていきますよ。

【昨日の一日一新】

ドライアプリコットを食べる

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