Chromebookのお仕事使い(システム開発、保守業務編)

今回Chromebookをお仕事でお使いの内容についてお話を伺わせて頂いたのは個人事業主としてシステム開発や保守されている伊藤 崇(@outliner_jp)さん。

事前に行ったアンケートの返事で目を引いたのは

メインマシンとして、Windows環境はVPS(Windowsの仮想専用サーバ-のサービスのこと、以下仮想デスクトップ)などに完全移行。システム開発や、保守業務もリモート環境で実施。音声通話もChromebookにして、スマートフォンも廃止しました。

というパワーワード感あふれる回答…

伊藤さんとはChromebookを使い始めた頃から面識があったのですが、改めて時代を先取りしたChromebookの使い方をされているなと実感。

今回の記事では既にChromebookをお使いの方だと「本当にここまで出来るのか!?」と感じる内容もあって、この記事を目にした方たちがどのような反応をされるのか正直とても楽しみでいます。

今回の記事は約7,000文字と比較的長文となっています。内容ごとに見出しをつけて記事にしているので、気になる部分からお読みいただければと思います。

ご協力いただいた伊藤さんのブログ

Chromebookのお仕事使いとは?

Chromebookをどのようにお仕事に使われているのか?事例を集めまとめれば、参考になり、目にした方の働き方を変えるきっかけになるかもしれない。

そう感じて始めたのがこちらのインタビュー企画「Chromebookのお仕事使い」。

インタビュー企画といっても、その言葉や内容をそのまま届けてしまうと、専門用語などにつまづいてしまうことも起こりがちです。

そこでこちらの記事ではお話し頂いたやりとりを整理して、補足説明を加えた形で公開しています。

関連:

使われているChromebook

お話を伺った際に伊藤さんが使われていたChromebookはAcer Chromebook Spin 11(以降、Spin 11)です。


(ご利用のSpin 11)

実はこちらの記事の公開までタイムラグがひと月ほどあり、現在はAcer Chromebook Spin 511(以降、Spin 511)を購入されています。

メインで使われているChromebookは更新されておりますが、Chromebookを使うようになったきっかけや、使用マシンを選んだ理由、そしてその使い方について伺った内容を紹介させて頂きます。

Chromebookを使うようになったきっかけ

Chromebookを使うようになったきっかけはWindowsが使いにくくなり、シンプルなものが欲しかったため。

パソコンは仕事以外にもエンターテイメントを楽しむことも出来るものですが、WindowsのOSが更新される時にそんなところは別に変えなくてもいいのに、と感じてしまうこともありました。

例えば画面のデザインなどは洗練されていくのは良いですが、操作方法は変えて欲しくありません。それこそ、Windows8の時にはシャットダウンの方法が変わり、電源をどうやって落とすのかお客様から問い合わせが多かったことも…

Windows10になって以前の操作方法に戻りましたが、WindowsはOSのバージョンによって操作感が大きく変化して、使いにくくなってしまうことがあります。

ChromebookでもOSの更新によって操作感が変化することもありますが、翌日には受け入れられる程度です。

スマートフォンを手放した理由

スマートフォンを使わなくなったのは元々ミニマリストで自分自身できるだけ余計な物とかを持ちたくなかったことや、あるのが当たり前の物を持つことを疑ってみようというのがきっかけでした。

スマートフォンって意外と面倒くさいので、「この操作はパソコンだったら5秒で終わるのにな…」と思うことも多かったりしますし、パソコンとスマートフォンでは操作体系も違うので覚えなきゃいけないことも増えてしまいます。

実際スマートフォンで行うことを全部パソコンで賄おうとしたら最終的に残るのが音声通話で、その部分を実際にクリアできてしまったので「スマートフォンはいらないなぁ」と。

仕事環境に合わせたパソコン選び~頑丈さとペン入力が出来ることを重視~

Spin 11をメインPCとしたのは、頑丈で多少乱暴に扱っても大丈夫という安心感があるのが大きいです。

仕事では物流関係のお客さまがおり、倉庫に行く機会もあります。そういった環境ではスタイリッシュで薄くて、でも扱うのに気を使うようなマシンでは仕事になりません。机の上から落としても大丈夫といった頑丈さがあるマシンでないと選択肢に入りません。

また、ペン入力も必要です。仕事でお客様へネットワークの説明をする際に書いてお見せ出来るとすぐ分かっていただける。ペン入力自体は高レベルのものは求めておらず、お客様に見せられる程度のものが備わっていれば十分。ペン入力がないと、紙のノートなどを別に持つことになってしまいますからね。

なお、伊藤さんは8月にSpin 11の後継機の位置付けのSpin 511(堅牢設計でスタイラスペンが付属したモデル)を購入されていることをブログで紹介されています。

メイン環境はオンライン上に存在

Chromebook自体にはデータが何もないのと同じでGoogleのクラウドや、仮想環境のWindowsに開発環境がありアクセスしています。

メインマシンがChromebookというより、メインの環境はネット上にあって、あとはどのデバイスで接続するかというだけ。たとえ違うパソコンでもオンライン上にある開発環境は同じ状態で、いわゆるWebアプリケーション環境となっています。

開発環境を物理的にほぼ壊れる心配のないところにあって、そこにアクセスするキーだけを持っていれば良いという状態です。

持っている自分のマシンを一生懸命カスタマイズして扱いやすい開発環境を作り上げても、マシンを変更する時に以前の環境を再現するのはとても大変です。だから今使っているマシンが使えなくなってしまっても、別のChromebookを用意してしまえば一瞬でこれまでと同じ環境を用意出来るようにしています。

またChromebookであれば、もしマシンをなくしたり、盗まれてしまったという時でもログインを出来ないようにしたり、ネットに繋がればデータも抹消することも出来ますし、複数台のパソコンを持っていれば、その時々に応じて画面の大きいものや携帯性の良いマシンを使い分けることが出来るのもメリットです。

Windows環境は仮想デスクトップで用意

Windows環境についてはChromebookから遠隔操作する仮想デスクトップを利用しています。

仮想デスクトップは何処かにある自分専用のWindowsにアクセスして使うというもの。以前はWindowsマシンを持っていましたが、物理的にマシンを持つデメリットもあり、仮想デスクトップのWindows環境に移行しています。

仮想デスクトップであれば壊れませんし、ネットワークの障害がない。管理画面から遠隔でWindowsを再起動することも出来ます。毎月料金を支払わないといけませんが、物理的なハードを買い替えるよりかは楽だと考えています。

仮想デスクトップ環境はさくらのVPS for Windows Server(以下、さくら)というサービスで構築。

さくらは通信量無制限で通信が安定しているかわりに、他社のサービスに比べ利用環境を臨機応変に変更することは出来ません。

ただ、若い頃に携帯コンテンツの業界団体にいたこともあって、通信料に応じて料金が変動する料金体系の怖さを経験、予算が立てやすい固定料金の料金体系が安心できるので利用しています。

なお、価格帯としてはさくらのW1Gというプランだと月々3,000円ほどで利用できます。(初期費用が別途3,240円必要ですが、月額2,160円+オプションのリモートデスクトップに月額756円を加算)

CPUは一世代前のAtomぐらいの性能のもの。OSはWindows Serverで通常のWindowsとは異なりますが、普通にMicrosoft Officeもインストール出来ます。

接続機器関係

通信機器はUSBドングルを複数用意してUSBを抜き差しするだけで3キャリア対応できるようにしています。

(各キャリアのSIMがセットされたUSBドングル)

通信会社にネットワーク障害が起きたときの備えにもなりますし、地方に行く機会も多く複数キャリアに対応していると安心できます。

また、SIMはmineo(マイネオ)を契約しているのですが、パケットギフトというサービスを利用することで、「ドコモのパケットが足りなくなったから余ってるソフトバンクから何ギガ送ろう」というような通信量のやりくりをしています。

通信量については仮想デスクトップを使っていてもサーバー上にあるWindowsとのデータのやりとりは、画面映像の受信とキーボードの入力情報となるので、月に20ギガもあれば足りています。

クラウド、AI、RPAなど技術が進歩していく中で感じていること

どこの業界も一緒だと思うのですが、以前からある仕事が今の形のままそのまま残っていくことはないけれど、 だからといっていきなり急には変わりません。

例えば電子書籍ならその団体に印刷会社が参加していたり、シャチハタが電子証明の会社に協力しているのは、時代の変化に応じて上手く移り変わって会社が残るようにするためです。

どう生き残っていくのかは本当に難しく考えすぎないで、簡単なことから新しい方法を取り入れていけば良いと思っています。

段階を追って最新の物や考え方を取り入れていく

クラウドなど新しい技術を利用することへの抵抗感は、物心がついた時にそれが当たり前にあったという人達が上がってこないと変わらないと思っていて、だからこそ実際に使って見せて伝えていくことが大事。

人はどうしても今までやってきたことの延長線でしか発想が出来ないので、出来るだけ少しずつ段階を追って今の最新の物や考え方に変えていきます。

例えば最新の技術が10として、お客様に最初は6を目指しましょうと伝え、そこをクリアして当たり前になったらさらに上へ。

システム開発としては段階的に取り組んでいくことになればその分だけコストは掛かってしまうので、中には嫌な顔をする人もおりますが、だからといっていきなり10を説明しても理解は得られません。だから徐々にステップを追っていくことが必要となります。

使用しているサービスや行っている工夫

「実際に使って見せて伝えていくことが大事」と説明しつつ、ご紹介頂いたのが活用されているサービスや利用されているバックオフィスの仕組みなどお話頂いています。

以降はお見せいただいた仕事行っている工夫や活用されているサービスなどについてご紹介していきます。

システム開発・保守業務関係~納品、通話、資料作成~

納品物はサーバーへ直接アップロード

最近では納品物をお客さまの社内サーバーに直接納品をするようになりました。以前はバージョンアップの度にCDに焼いていたこともあったのですが、社内サーバーにアクセスして、この場所に置きましたとお伝えしています。

この方がお互いに手間が掛からず楽ですし、セキュリティ的にも安全です。メール添付にありがちな「最新版はどのメールに付いてるのだろう?」ということもなくなりました。

Chromebookを使った通話環境

通話する際にChromebookにインカムを刺してやりとり、利用しているサービスとしてはSkypeやSMARTalk、MizuDroidなどを使い分けています。

SkypeについてSkype 番号(050からの電話番号)を取得の他、お客さまの連絡を受けるために使用。IP電話のSMARTalkは電話番号を何かのサービスに登録したり、Skype番号の転送先として使っています。

SMARTalkは基本料金が0円で発信しない限り請求されませんし、留守番電話機能は登録したメールアドレスにメール通知され、録音データも添付して受け取れるので、留守番電話センターに掛け直さなくて済むのがすごく良い。

MizuDroidは自動録音機能があるので電話で技術的な話しをした際など、後からどのようなやりとりをしたのか確認する場合に使っています。

図解化にオンライン作図ツールCacoo

考える時は手書きですが、綺麗な形にまとめる際にはオンライン作図ツールのCacooを利用しています。

(写真はCacooを利用中の様子)

無料から使えて、エクスポート機能もあるため大体のことは出来てしまえます。Webアプリなのでアカウントさえあればどこからでもアクセスできる使い勝手が良いです。

写真加工にBeFunky Photo Editor

写真加工にはアートフィルターが充実しているBeFunky Photo Editorを利用しています。

説明資料の作業イメージに使う写真について、場所が特定出来てしまう部分など写ってはいけない部分をぼかしたりして活用しています。

バックオフィス関係~請求書作成、代金決済、経理の自動化など~

お客さまへ送付する請求書はGoogleスプレッドシートで作成しPDFを送信

経理資料について完全デジタル化はしていませんが、請求書はGoogleスプレッドシートで作成してPDF化したものを送付。請求書をPDFで送ることについてはお客さまへ改ざんされていないことを確認出来ることをお伝えして理解を得ています。

電子署名にDocuSign(ドキュサイン)

PDFの電子署名にはDocuSignを使っています。古くからありますし、電子印鑑の仕組みを持っているシャチハタとも提携していて、日本の印鑑文化にも理解があるのでこちらのサービスを選んでいます。

代金決済の利用サービスは無料送金アプリpring(プリン)を使用

お金のやりとりに無料送金アプリpringを使っています。

  • お金のやりとりをスムーズに手数料を掛けずに出来る
  • 銀行口座と紐付けることでセブン銀行のATMから、プリンの残高を1日1回手数料無料で引き出し出来る

といった特徴があり、取引先とのやり取りを中心に手数料も馬鹿にならないので使っています。

(下記は試しに使ってみた際の画像。手数料を掛けずにお金を送金し合っています)

経理関係の効率化はGoogleのサービスを中心に活用

確定申告についてはGoogleスプレッドシートに経理記録を残すようにしてから楽になりました。意外とGoogleのサービスだけでも色々なことが出来てしまいます。

技術的に出来る事をどう使いやすい形として見せるかが大事で、この辺りは開発者が利用者でもあるというのが一番です。経理関係はGoogleスプレッドシートやGoogleフォーム、 Google Apps Script (Googleのサービスを連携するプログラム)を中心に活用しています。

例えばチケット制にしているお仕事の依頼や経費の集計はGoogleフォームからGoogleスプレッドシートへ自動反映する仕組みを使っています。

また、入金記録については常時起動しているWindows環境でプログラムを動かしておき、放っておいても自動的に毎日ネットバンキングにアクセス、その日の入金データを吸い出してGoogleスプレッドシートに記録されるようにもしています。

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【編集後記】

中国ではカエル料理を食べるらしいと知り、興味がわいて同業者の友人を連れてチャレンジしてきました。
カエルを食べてみた感想は思ったよりも骨が多くて、淡白な味。唐揚げで食べたのですが、自分は鶏肉の方が好みと知ことに…

味に変な癖はなかったので、気になる方は是非チャレンジしてみて下さいませ。
食べにいったお店は赤坂にある黒猫夜。中国の珍しい紹興酒も取り扱っておりましたよ。

【最近読んだ本】

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