巡回監査やAI月次監査に感じる公認会計士目線での違和感

自身で会計事務所を営むようになって巡回監査やAI月次監査など、わりと気楽に会計監査を匂わせる言葉が使われてしまっていることに違和感を抱いています。

自身は監査法人で社会人経験をスタートしていたこともあり、監査というと監査法人や公認会計士の行う会計監査が真っ先に頭に浮かんでしまいます。

そういったイメージを持っている自身からすると会計事務所の顧問契約の一貫としての巡回監査や会計ソフト会社が使うAI月次監査という言葉には「それって監査じゃないですよね?」と、思ってしまうのです。

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監査という言葉で連想される会計監査で行うことは?

自身が監査と聞いてイメージするのは会計監査です。

会計監査は監査を行う人(以下、監査人)が依頼者の顔色を伺わずに判断が出来るように独立性が求められていて、行う際には監査計画を作り、状況が変わる都度修正、重要性という判断のハードルを決めて最終的に財務書類が妥当かどうか判断する業務。

監査は保証業務の一つなのですが、その中でも特に求められる水準が高く、次の特徴的な手続が求められます。

  • 実査(じっさ):クライアント先で現金があるか監査人が数えること
  • 立会:在庫の棚卸がきちんと行われているか立ち会う
  • 確認:得意先や銀行などには確認状を送り不一致があれば原因を調査

実査、立会、確認は実務上手間がかかる手続なので、営業上使われる〇〇監査というサービスではまず行われないことが殆どなのですが、これらの手続をしないでどうして監査と言えるのか?と、思ってしまうのです。

ましてや月次監査なんて手間ばかり掛かって有効性は低いでしょうし、工数を考えるととても現実的ではないなと…^^;

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これは本当に監査?と思うサービスにありがちなこと

これは本当に監査なのだろうか?と感じるサービスにありがちなのが、単に金額の大きいものの処理が正しいか確かめることや、領収書と経理処理の整合性を見る手続を行ってるだけなケース。

確かにそういったことも監査の手続きとしてするけれど…それはあくまで多数ある監査手続のひとつという位置づけでしかありません。

また監査の前提には経理書類の作成者と、監査人は別でないと成り立たないもの。税務申告書を会計事務所で作成すれば、監査の前提すら守られていないので、単なる自己チェックに過ぎないので○○監査と名前をつけているのは如何なものなのかと感じてしまいます…

○○監査という言葉を安易に使わない理由

なんだか最近はあまりにも手軽に○○監査と名前をつけたサービスを目にすることがあるのですが、監査という言葉はきちんとしていそうなイメージが欲しいときに使いやすいキーワードなのでしょう。

そのイメージの半面監査という言葉は周囲から求められる要求水準が高く、監査を行った側の責任は重いものがあるはずなのですが、訴訟リスクなどどのように捉えているのか興味はあります。

ただ、公認会計士である自身は監査についてどう捉えているかといえば慎重派で、監査契約の業務以外は安易に月次監査、巡回監査など会計監査と誤解させるような言葉は安易に使わないようにしています。

それこそ変に気にしすぎかもしれませんし、営業上うまくないのかもしれません。

ただ監査という言葉は周囲との期待のギャップを生みやすいものなので、職業的専門家である公認会計士だからこそ行う業務に真摯に取り組みたいから安易と監査という言葉は使うのを避け、周囲に誤認させるような伝え方はしないようにしたいのです。

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【編集後記】
明日から数日かけて登山を敢行するつもりなのですが、不安になる夏の暑さですね。
…体力づくりから始まり諸々手続を済ませているのけれども撤退も視野に入れつつ安全第一で挑もうと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

守屋冬樹(もりや ふゆき)

公認会計士、税理士。高校時代の出会いがきっかけで公認会計士を目指すと決意。2007年(22歳)高卒での公認会計士試験合格を実現。準大手監査法人に勤務しつつ2011年(25歳)公認会計士登録。2012年(26歳)税理士となり守屋冬樹税理士事務所を創設。 さらに詳細なプロフィール/お仕事のご依頼